商品情報管理(PIM)システム HANABI Data

株式会社エムディーエス様 導入事例

100万SKUの商品情報を、全社員150人で活用する情報基盤へ。 文具卸売業界の「データ流通」の変革を目指す。
株式会社エムディーエス様
業務内容
文具・雑貨の卸売・商品開発

利用用途
商品情報管理
文房具・雑貨の卸売業界において、長きにわたり市場を牽引し続ける株式会社エムディーエス様。
同社が取り扱うアイテム数は約100万点にも及び、その管理と得意先へのスピーディーな情報提供は、事業の生命線とも言える重要業務です。
昨今のEC市場の拡大に伴い、求められるデータ量とスピードが加速する中、同社は商品情報管理システム(PIM)としてHANABI Dataを導入しました。

なぜHANABI Dataが選ばれたのか。そして、導入によって現場の業務はどう変わったのか。システム選定の背景から、業界全体の課題解決を見据えた将来の展望まで、じっくりとお話を伺いました。

導入の背景:基幹システム刷新で直面した「検索レスポンス」という新たな壁

株式会社エムディーエス
情報システム部 部長 尾沼晋様
―― まず、貴社が扱われている商材と、データ管理における特徴について教えてください。

尾沼様:弊社は文房具を中心に、雑貨などを含めて約100万点(SKU)もの商品を取り扱っています。特に弊社の強みでもある「ファンシー文具」や「キャラクター商品」は、トレンドの移り変わりが非常に早く、改廃(商品の入れ替え)が激しいのが特徴です。定番商品は少なく、短期間で入れ替わるスポット商品が大量にあるため、常に新しいJANコード、商品名、素材、商品説明といったデータを登録し続けなければなりません。
また近年は、ECサイトを運営される得意先様の割合が増加しています。店頭販売とは異なり、ECでは詳細な商品説明や高解像度の画像データが「売れる・売れない」に直結します。そのため、登録すべき情報量は年々増加の一途を辿っています。

―― HANABI Data導入のきっかけは、基幹システムの入れ替えだったと伺いました。

尾沼様:はい。昨年4月に基幹システムの刷新を行いました。新システムは機能面では非常にリッチになり、多くのことができるようになったのですが、その反面、データベースとしての「検索レスポンス」が、旧システムと比較して遅くなってしまうという課題が発生しました。
我々の業務において、お客様からの問い合わせに対して即座に商品情報を検索し回答することは日常茶飯事です。検索のたびに待たされるようでは、業務効率が著しく低下してしまいます。「新システムを改修してレスポンスを上げる」か、それとも「商品情報管理(PIM)だけを切り出して外部システムを持つか」、社内で比較検討を行った結果、商品情報の検索・管理に特化したシステムを外付けした方が、パフォーマンスも費用対効果も高いという結論に至り、PIMの導入プロジェクトが始動しました。

選定理由:決め手は「100万点の処理能力」と全社活用を後押しする「定額制モデル」

―― HANABI Dataを選定された決定的な理由は何でしたか?

尾沼様:選定において絶対に譲れなかった条件は、「100万点の商品データが入っても、快適に動作する保証があること」です。
どれだけ機能が豊富でも、動きが重ければ意味がありません。HANABI Dataは、この膨大なデータ量を格納しても検索スピードが落ちず、実務に耐えうると判断しました。
UI(ユーザーインターフェース)に関して、直感的に操作できるというのもポイントの1つでした。商品マスタ項目を指定して商品情報を一括更新できる機能の存在は大きかったです。

大来様:特に気に入っているのが検索の操作性です。JANコードなどの長い数字をすべて入力しなくても、頭の3桁~4桁を入力するだけで前方一致・部分一致ですぐに候補が出てきます。日々の業務で何百回と繰り返す操作だからこそ、こういった細かなUI(ユーザーインターフェース)の使い勝手が、現場のストレス軽減に大きく寄与しています。

尾沼様:以前、商品一覧ページのダウンロードボタンの操作性が分かりにくいという意見をお伝えしたところ、素早く対応していただいたのは嬉しかったです。

株式会社エムディーエス
情報システム部 主任 大来文音様
―― 機能面以外で、評価されたポイントはありますか?

尾沼様:料金がリーズナブルな点です。ユーザーの追加による課金がない点も大きかったですね。他社製品の多くは「1ユーザーあたり月額◯◯円」というID課金制でした。しかし、弊社では商品管理部門だけでなく、営業、EC担当、物流、受注センターなど、部署をまたいで150人の社員が商品情報を必要としています。
もしユーザーごとの課金があれば、「誰に権限を付与するか」という選別が必要になり、利用のハードルが上がってしまいます。HANABI Dataは定額で全社員が気兼ねなく利用できます。これは「全社的なデータ活用」を進める上で欠かせない要素でした。また、API連携に対応しており、今後の機能拡充のロードマップを具体的にお聞きしたところ、ますます自動化や拡張性が期待できると感じた点も、長く使い続けるシステムとして安心材料になりました。

導入の効果:VBA職人への依存から脱却。誰でもデータ提供が可能に。

―― 実際に導入されてから、業務面でどのような効果がありましたか?

尾沼様:最も大きな変化があったのは、「得意先様への商品データ提供業務」です。営業活動の一環として、約20社のチェーン小売店様へ新商品のデータを提供しているのですが、各社ごとに求められるデータの並び順や項目(フォーマット)が異なります。
これまでは、ExcelやVBA(マクロ)を駆使して、各社のフォーマットに合わせてデータを加工していました。しかし、VBAは組んだ本人しか構造がわからず、「A社のデータ作成は◯◯さんしかできない」という属人化が発生していました。担当者が不在だとデータが出せないというリスクを常に抱えていたのです。
HANABI Dataの「取引先との商品項目マッピング機能」を使うことで、この課題は解決しました。システム上で「どの項目を、どの列に出力するか」を視覚的に設定できるため、複雑なプログラム知識は不要になります。
結果として、データ提供にかかる作業時間が大幅に短縮されただけでなく、「誰でも、間違いなく、スピーディーに」データを作成できる体制が整いました。特定の担当者に依存する業務リスクを排除できたことは、組織運営において非常に大きな成果です。

大来様:HANABI Dataの導入前は商品情報の登録を専門的な者が行っていましたが、HANABI Dataの導入後は様々な人が商品情報を登録できるようになりました。
各メーカー様からいただいたExcelデータをHANABI Dataに取り込む際も、専門的な者だけでなく、様々な部署のメンバーが登録作業を行えるよう準備中です。「情報の登録」から「活用」まで、属人化を排除した効率的な運用を目指しています。

サポート体制:「ただ売るだけではない」技術に精通した担当者の伴走力

―― エルテックスの導入支援や日々のサポートについてはいかがでしょうか?

尾沼様:正直なところ、サポート体制の良さも導入の決め手の一つでした。他社の営業担当者は、カタログスペックの説明に終始することが多かったのですが、HANABI Dataの担当者は、システムの裏側の仕様まで完全に把握されており、技術的な質問にもその場ですぐに回答していただけました。
「現在はこうですが、今後はこのような機能を追加する開発ロードマップがあります」といった未来の話も共有していただき、単にツールを導入するだけでなく、「一緒にシステムを育てていける」という期待感を持つことができました。
しつこく何回も質問させていただいたときに、「この機能を今度リリースします」「こういう使い方での対処はいかがでしょうか」とご提案いただき、スピーディーに解決できました。

100万点の商品情報を初期登録する作業についてもHANABI Dataの担当者に迅速に対応していただきました。
導入後もチャットボットで質問ができますし、マニュアルもしっかり整備されています。このスピード感と安心感は、他社にはない魅力だと感じています。

今後の展望:メーカー・卸・小売をつなぐプラットフォームを目指して

―― 最後に、今後HANABI Dataを活用して実現したいビジョンをお聞かせください。

尾沼様:これは弊社だけの話ではなく業界全体の課題なのですが、現在は「メーカー」「卸」「小売」の各社が、それぞれ独自に同じ商品情報を手入力しています。これは社会的に見ても非常に大きな作業ロスです。
今後は、上流であるメーカー様に商品情報を直接HANABI Dataへ登録していただき、我々卸が流通に必要な情報を付加し、それを小売様へ渡す。この一連の流れをシステム上で完結させたいと考えています。そうすれば、業界全体で商品登録にかかる人的リソースを劇的に削減できます。
社内的には、これまで営業担当者が残業して行っていた商品登録作業をゼロにし、その時間を本来の「お客様への提案活動」に充てられるようにしたいです。
HANABI Dataは単なる管理ツールではなく、弊社の働き方、ひいては業界の商流を変えるための「武器」になると感じています。今後もこのスピード感で進化し続けてくれることを期待しています。
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