商品情報管理(PIM)システムは、企業が商品データを一元管理し、効率的に運用するための重要なツールです。しかし、自社にピッタリの商品情報管理システムを探し出すことは容易ではありません。ここでは、商品情報管理システムの選定の際に考慮すべきポイントと注意点について解説します。
自社のニーズを明確にする
商品情報管理システムの選定をする際、まず自社のニーズを明確にすることが重要です。下記を参考に自社のニーズを明確にしてみてください。
項目 | 例 |
---|---|
管理する商品点数 | 1000点、1万点、5万点、10万点、30万点、50万点など。 初期段階ではざっくりでOK。 |
管理する画像などのファイルの総サイズ | 1GB、5GB、10GB、30GB、50GB、100GBなど。 初期段階ではざっくりでOK。 |
利用者数 | 10人、30人、100人など |
システム形態 | クラウド、またはオンプレミス(※) |
予算 | 月額10万円など |
欲しい機能 | ユーザー毎に権限を設定したい、 AIを活用して商品情報管理業務を効率化したい、 取引先に合わせて商品マスタを変換したい、など |
※オンプレミスとはサーバー、ネットワーク、ソフトウェアなどを自社で保有し運用する形態のことです。
基本機能のカスタマイズ性
下記の基本機能が搭載されていて、柔軟にカスタマイズできるかを確認してみてください。
カスタマイズの容易さは費用対効果と運用効率に大きく影響します。
- 商品マスタの項目を簡単に追加・変更・削除できること
- 商品マスタのどの項目でも検索できること
- 大量の商品データに対する検索性能が十分であること
- 商品マスタのインポート、エクスポートを行う際のファイルフォーマットを設定できること
- 商品情報を履歴管理できること
- 商品情報をシステム連携させやすいこと
- メディア(画像、動画、PDFなどのファイル)を商品に紐づけて管理できること
- ユーザーを何人でも追加できること
- ユーザー毎に権限を設定できること
- IPアドレス制限ができること
- パスワードルールの設定や2要素認証の設定ができること
特に1つ目の「商品マスタの項目を簡単に追加・変更・削除できること」は重要です。
商品マスタに1項目追加するだけでベンダーによるシステム改修が必要となり、大きなコストが発生するシステムがあります。
新しさと先進性
新しく先進性のあるシステムの場合、今後の機能拡充に期待できます。一方、やや古いシステムを導入した場合、機能拡充のペースが遅く、数年後に老朽化し始める恐れがあります。そのシステムの販売開始日を確認してみてください。
クラウドに構築された優れたシステムの場合、簡単にお客様用のシステム環境を構築できます。そのため、無料トライアルの申し込みを行うと、その日のうちにトライアルを開始できるケースが多いです。トライアル開始までに数日かかるシステムは採用技術が古い可能性があります。
使いやすさ
商品情報管理システムは日常的に多くの社員が利用するツールであるため、使いやすさは重要です。直感的なインターフェースや簡単に操作できる機能が備わっているかを確認してみてください。無料トライアルができる場合、実際にシステムを利用して操作感を確認してみてください。
サポート
商品情報管理システムの導入後、疑問やトラブル等が発生する場合があります。そういった場合に迅速に解決できそうかを事前に確認することが重要です。サポートの対応時間、無料トライアルでのサポートの親切さ、マニュアルの充実度をチェックしてみてください。
また、AIチャットボットに質問できるシステムの場合、即座に欲しい情報を得られる可能性があり、利便性が高いです。
トータルコスト
初期費用、月額費用以外に、オプション料金としてユーザー追加費用、IPアドレス制限費用、問い合わせサポート費用などが従量課金で発生するサービスがあるため、注意が必要です。トータルコストを把握することが重要です。トータルコストと機能のバランスを把握することで、コストパフォーマンスの高い商品情報管理システムを選定できます。
まとめ
商品情報管理システムを選定する際は、自社のニーズを明確にし、基本機能のカスタマイズ性、新しさと先進性、使いやすさ、サポートを確認してください。そして、初期費用、月額費用にオプション料金などを加えたトータルコストを把握し、機能とのバランスを考えて選定することが重要です。自社に最適な商品情報管理システムを選定し、業務効率化にお繋げください。